BCP・防災

介護事業所のBCP策定を、無料で簡単に! ハザードマップ連携の策定ツールを公開しました

介護事業所向けBCP簡単策定ツールの紹介

介護事業所のBCP、まだExcelで作っていませんか?──無料策定ツールを公開しました


介護事業所のBCP(業務継続計画)策定、進んでいますか。

厚労省のひな形をダウンロードしたものの、複数シートのExcelを前に手が止まっている。
形だけ埋めたけれど、本当にこれで運営指導(旧・実地指導)を乗り越えられるのか不安──そんな声を、

私たちは数多くの介護事業所から聞いてきました。

この課題を解決するために、株式会社RadiantCoCoは介護事業所向けの「BCP簡単策定ツール」「個別避難計画ツール」を開発し、無料で公開しました。

忙しい管理者の方が、現場の合間に、一人でも策定を進められる。そのために主要な機能を詰め込んでいます。


5ステップ・ハザードマップ自動連携・PDF出力まで無料のBCP簡単策定ツール

RadiantCoCo制作のBCP簡単策定ツールは、5ステップで介護事業所のBCPのたたき台を作成するWebアプリケーションです。ブラウザからアクセスするだけで、インストールや会員登録なしにすぐ使い始められます。(PDFを出力する際のみ、メールアドレスのご登録をお願いしています)

最大の特長は、事業所の住所を入力するだけで国土地理院のハザードマップ(洪水・土砂災害・津波・高潮)が地図上に自動表示される点です。


自分の事業所がどんな災害リスクを抱えているか、BCP策定の出発点となるリスク把握を、短時間で始められます。

複数拠点の登録にも対応しており、本部事業所・支所・サテライト・在宅勤務拠点のそれぞれのリスクを一画面で確認できます。

優先業務の選定では、サービス種別(入所系・通所系・訪問系・管理部門)を選ぶとプリセット(あらかじめ用意された業務リスト)が自動で適用されます。

「継続」「休止」をワンタップで初期案を選べるので、自由記述で悩む必要はありません。自然災害編・感染症編の両方に対応しています。

さらに、避難計画、感染症発生時のゾーニング計画、年間研修・訓練計画の策定まで、一つのツール内でまとめて作成を進められます。

すべての入力が終わったら、BCP文書をPDFで出力。厚生労働省のガイドラインの項目を参考にした構成です。運営指導(旧・実地指導)の際の説明資料としても活用いただけます。

入力データはブラウザに自動保存されるため、途中で閉じても前回の続きから再開できます。

JSONファイルでのバックアップ・復元にも対応しており、別のパソコンへのデータ移行や、複数事業所のBCP管理も可能です。

利用者ごとの個別避難計画のたたき台も作れる──避難参考ルートの表示ツール同時公開

BCP策定ツールと合わせて、「個別避難計画ツール」も公開しています。

利用者の住所を入力すると、その場所のハザードマップが即座に表示されます。

避難場所の住所を入力すれば、利用者宅から避難場所までの徒歩ルート・距離・所要時間(時速3km計算)が自動算出されます。

人工呼吸器、経管栄養、認知症の徘徊リスクなど12種類の要配慮事項をチップ選択で登録でき、緊急連絡先・かかりつけ医・担当ケアマネジャーの情報も一画面で管理できます。

複数の利用者について、個別避難計画のたたき台を一括作成できます。

PDFにはハザードマップの画像も自動で挿入されるため、視覚的にもわかりやすい計画書を作成できます。

使い方ガイド動画(YouTube)──13分で主な機能を確認できます

「ツールの使い方がわからない」という不安をなくすために、操作ガイド動画をYouTubeで公開しています。

前半9分でBCP策定ツールのStep 1〜5を画面操作に沿って解説し、後半4分で個別避難計画ツールの使い方を説明しています。

動画を見ながら一緒に操作すれば、初めての方でも迷わず進められます。

なぜこのツールを作ったのか──介護現場のBCP策定が進まない本当の理由

私たちRadiantCoCoは、介護・福祉業界に特化したWebマーケティング支援会社です。

親会社である株式会社土屋は重度訪問介護を主軸とする介護事業者であり、私自身も土屋で取締役兼CMOを務め、防災委員会の委員長を務めた経験があります。

介護の現場を内側から見てきたからこそ、BCP策定が進まない本当の理由がわかります。

厚労省のひな形は複数シート構成──忙しい管理者が手を止める構造的な問題

厚労省が公開しているBCPひな形は、内容としては非常に網羅的で優れています。

しかし、自由記述欄が大半を占めるExcel形式です。当社が確認した厚生労働省公開のひな形では、複数のシートへの入力が必要です。日々のシフト管理、利用者対応、請求業務に追われる管理者が、この空欄を前にして「何を書けばいいかわからない」と感じるのは当然です。

問題はBCPの内容ではなく、策定ツールのUI(使い勝手)にありました。

質問に答えながら計画のたたき台を作成できるウィザード形式であれば、自由記述で悩む時間を大幅に削減できる。

ハザードマップが自動で表示されれば、別のサイトを開いて確認する手間もなくなる。そう考えて、このツールを開発しました。

「全部埋めなければいけない」という誤解が策定を遅らせている

多くの管理者が「すべてのシートを埋めなければ義務を果たしたことにならない」と思い込んでいます。

しかし実際には、事業所の規模やサービス種別によって必要な項目は異なります。

小規模な訪問介護事業所と100床の特養で同じボリュームのBCPになるはずがありません。

運営指導(旧・実地指導)で問われるのは書類の量ではありません。策定状況・研修や訓練の実施記録・見直しの状況などが確認されます。

完璧を目指して手が止まるよりも、まず必要な範囲の内容で策定を進め、定期的な見直しのなかで段階的に充実させていくほうが、はるかに合理的です。

ツールのプリセットは、この基本的な検討項目を事業所の種別ごとに設計しています。

私たちが現場で見てきた「形だけBCP」の危うさ

形だけ策定したBCPは、有事に機能しません。

指揮系統が書かれていても職員が知らない。
備蓄品リストはあるが実際の在庫と一致していない。
優先業務の選定がされているが、判断基準があいまいで現場が迷う──

こうした「形だけBCP」を、私たちは数多くの介護事業所で目の当たりにしてきました。

ツールを作る際に最も重視したのは、「策定した内容が現場で使いやすいこと」です。

ハザードマップで具体的なリスクを目で見て確認し、サービス種別に合った優先業務を選択し、備蓄品を実際にチェックする。

このプロセス自体が、職員への共有と理解の第一歩になるよう設計しています。

そもそもBCPとは何か──義務化の経緯と未策定減算のリスク

ここからは、BCP策定がなぜ必要なのか、制度面の背景を整理します。

すでに義務化の経緯をご存じの方は、次の「ツールで実際にBCPを作る流れ」まで読み飛ばしていただいて構いません。

BCP(業務継続計画)の定義と防災マニュアルとの違い

BCPとはBusiness Continuity Planの略で、「業務継続計画」と訳されます。自然災害や感染症が発生した際に、事業をどう継続し、中断した場合にはいかに早く復旧させるかを定めた計画です。

防災マニュアルとの違いは、目的の範囲にあります。防災マニュアルは「人命を守り、被害を最小化する」ことに焦点を当てます。

BCPはそこからさらに踏み込み、「人命を守ったうえで、事業そのものを継続・復旧する」ところまでカバーします。介護事業所の場合、サービスの停止は利用者の生活と生命に直結するため、事業継続の視点が欠かせません。

2024年4月導入の「未策定減算」──一部サービスの経過措置は2025年3月末で終了

居宅療養管理指導および特定福祉用具販売を除く介護保険サービスでは、3年間の経過措置が終了し、2024年4月からBCPの策定、職員への周知、研修・訓練の実施、定期的な見直しが義務付けられています。

また、令和6年度介護報酬改定により、2024年4月から業務継続計画未策定減算が導入されました。

訪問系サービス、福祉用具貸与、居宅介護支援については2025年3月31日まで経過措置が設けられていました。なお、居宅療養管理指導と特定福祉用具販売は減算の対象外です。

減算は、BCPを策定していない場合だけでなく、BCPに基づく必要な措置を講じていない場合にも適用される可能性があります。基本報酬の減算は収入減に直結するため、「まだ作っていない」状態は経営リスクそのものです。

自然災害編と感染症編、2つのBCPが必要な理由

厚労省のガイドラインは、自然災害発生時と感染症発生時の2種類に分かれています。

地震・水害と感染症では、対応すべき事項がまったく異なるためです。

自然災害編では建物の安全確認やライフライン途絶時の対応が中心になり、感染症編ではゾーニングや職員の出勤停止時の代替体制が重点項目です。

両方の策定が必要ですが、体制構築や緊急連絡網、備蓄品管理など共通する項目も多いため、並行して進めると効率的です。ツールでは自然災害編・感染症編の両方をタブ切替で一画面から策定できるよう設計しています。

ツールで実際にBCPを作る流れ──5ステップの実務フロー

ここからは、BCP簡単策定ツールを使った具体的な策定フローを説明します。各ステップで何をすればよいかを順に見ていきましょう。

Step 1──住所入力だけでハザードマップが表示される

ツールにアクセスしたら、最初に事業所の基本情報を入力します。事業所名、住所、サービス種別(入所系・通所系・訪問系・管理部門から選択)、職員数を登録します。

住所を入力して「検索」を押すと、国土地理院のジオコーディングAPIで座標が取得され、地図上にハザードマップが自動表示されます。

洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域、津波浸水想定区域、高潮浸水想定区域の4種類をボタンで切り替えて確認できます。

複数の拠点がある法人では、本部事業所・支所/出張所・サテライト・自宅勤務拠点を追加できます。拠点ごとにハザードマップが確認できるため、「本部では表示対象の災害リスクが確認されない一方、サテライトは浸水想定区域にある」といった拠点間のリスク差も把握できます。

Step 2──指揮系統と緊急連絡体制を登録する

災害発生時に「誰が判断し、誰に連絡するか」を登録します。指揮権限の順位(施設長→副施設長→主任→…)を第1位から第5位まで初期表示し、「+ 順位を追加」で必要なだけ増やせます。関係機関(市区町村役所、警察署、消防署、医療機関、保健所)の連絡先も一覧で入力します。

在宅勤務者がいる場合は、在宅勤務者の安否確認体制も合わせて設定します。事業所の固定電話が使えない状況を想定し、複数の連絡手段を登録しておくことがポイントです。

Step 3──プリセットから選ぶだけで優先業務の検討を進められる

BCP策定で最も時間がかかる「優先業務の選定」が、プリセットのおかげで劇的に簡単になります。サービス種別を選んだ時点で、その種別に合った応急対応業務と通常業務のリストが自動で表示されます。

たとえば訪問系サービスでは、「利用者の安否確認」「医療的ケア利用者の優先対応」「訪問スケジュールの再編」などが初期候補として表示されます。

身体介護・生活援助というサービス区分だけで一律に継続・休止を決めるのではなく、利用者の生命・健康への影響や生活状況に応じて、事業所ごとに内容を見直してください。

事業所の実情に合わせて編集・追加もできます。

このステップでは、「自然災害編」「感染症編」に加えて「避難計画」「ゾーニング」「在宅継続」「研修・訓練」もタブ切替で策定できます(避難計画とゾーニングは、選択したサービス種別に応じて表示されます)。入所系を選べば施設の避難場所と移送手段を登録するフォームが、通所系を選べば家族引き渡し計画のフォームが表示されるなど、サービス種別に応じた内容が出し分けされます。

Step 4──備蓄品チェックリストを確認する

災害用と感染症用の備蓄品がチェックリスト形式で表示されます。非常食、飲料水、懐中電灯、自家発電機、マスク、手袋、ガウン、消毒液──品目にチェックを入れ、数量を入力するだけです。進捗バーで確認状況が可視化されるため、どこまで終わったかが一目でわかります。

Step 5──PDF出力でBCPのたたき台を作成

Step 1〜4の入力が完了したら、最終確認画面で入力の進捗が百分率で自動計算されます。入力内容のサマリーを確認し、「PDFで出力」を押せばBCP文書が生成されます。

出力されるPDFのページ数は、入力内容によって変わります。表紙(事業所情報・拠点・策定日)、体制構築(指揮系統・連絡先・在宅勤務者一覧)、優先業務・自然災害編、優先業務・感染症編は常に出力されます。

拠点ハザードマップ、在宅勤務業務継続環境チェック、備蓄品リスト、利用者避難計画、感染症ゾーニング計画、備考は、該当する入力がある場合に追加されます。

これらに加えて、付録としてBCP委員会名簿、年間研修・訓練計画および実施記録、訓練実施報告書のテンプレートが出力されます。訓練の実施記録を入力している場合は、記録ごとのページも追加されます。

BCPとあわせて検討したい──利用者ごとの避難支援

事業所全体のBCPを策定しても、カバーしきれない領域があります。それが、利用者一人ひとりの個別避難計画です。

市区町村の努力義務となった個別避難計画とは

令和3年(2021年)の災害対策基本法改正により、市区町村には、避難行動要支援者の個別避難計画を作成する努力義務が課されました。

対象となるのは、要介護高齢者や障害のある方などのうち、自ら避難することが困難で、円滑・迅速な避難のために特に支援を必要とする方です。具体的な対象基準や優先順位は、市区町村によって異なります。

介護事業所やケアマネジャーなどの福祉関係者は、対象者の状態をよく知る立場として、自治体から計画作成への協力を求められることがあります。

個別避難計画には、利用者の住所・心身の状態・移動能力、避難場所・避難経路、緊急連絡先、かかりつけ医の情報が含まれます。

事業所のBCPが「組織として何をするか」を定めるのに対し、個別避難計画は「一人ひとりをどう守るか」を具体化するものです。

入所系・通所系・訪問系で異なる避難計画の考え方

入所系では、施設内の一次避難場所と施設外の二次避難場所の2段階で計画します。

人工呼吸器使用者、経管栄養の方、認知症で徘徊リスクのある方など、要配慮者ごとに必要な介助者数と移送手段を事前に割り出しておくことが不可欠です。

通所系では、サービス提供中に災害が発生した場合の「家族への引き渡し計画」が重要です。連絡がつかない場合のルール(一定時間後に避難所へ移動する等)も取り決めておく必要があります。

訪問系では、利用者が自宅に分散しているため、安否確認の優先順位がカギになります。

安否確認の順番は、利用者ごとの医療的ケアの必要性、独居の状況、移動能力、意思疎通の方法、家族等の支援体制、住居の災害リスクなどを踏まえ、あらかじめ決めておきます。

個別避難計画ツールでできること──ハザードマップ×避難経路×一括PDF

個別避難計画ツールでは、利用者の住所を入力するとハザードマップが即座に表示されます。避難場所の住所を入力すれば、利用者宅から避難場所までの徒歩ルート・距離・所要時間が自動計算されます。

※表示されるルート、距離、所要時間は、平常時の地図情報と設定速度に基づく参考値です。災害時の浸水、土砂災害、道路閉塞、混雑、段差、坂道、利用者の身体状況などは反映されない場合があります。自治体の防災情報と現地の状況を確認し、必要に応じて複数の避難経路を検討してください。

要配慮事項は、車椅子利用、人工呼吸器、経管栄養、酸素療法、吸引、認知症(徘徊リスク)、認知症(その他)、視覚障害、聴覚障害、寝たきり、透析、医療的ケア児の12項目からチップ選択で登録できます。

移動能力も「自力歩行可能」から「担架・抱きかかえ」まで6段階で選択できるため、利用者の状態に応じた避難計画が作れます。

複数の利用者を登録し、一括でPDF出力できます。PDFには利用者ごとのハザードマップ画像が自動挿入されるため、視覚的にわかりやすい計画書を作成できます。

※本ツールで作成する文書は、利用者ごとの避難支援を検討するためのたたき台・参考資料です。自治体が災害対策基本法に基づいて作成・管理する個別避難計画としての採用を保証するものではありません。自治体の対象基準、様式、作成手順、本人同意の取り扱いをご確認ください。

入力する個人情報の取り扱いについて

個別避難計画には、利用者の氏名、住所、心身の状態、医療的ケア、緊急連絡先、かかりつけ医などの重要な個人情報が含まれます。障害、病歴、医療的ケアなどは要配慮個人情報にあたる場合があります。入力・保存する情報は必要最小限とし、閲覧できる職員、端末の管理方法、バックアップファイルの保管場所などを事業所内で定めてください。

また、自治体、避難支援等関係者、家族等に計画書やJSON・PDFを提供・共有する場合は、本人の同意の要否を含め、自治体が定める作成・提供手順を確認してください。

入力内容の保存先

入力した内容は、ご利用の端末のブラウザ内に自動保存されます。当社のサーバーには送信・保存されません。作業を別の端末で引き継ぐ場合は、JSONファイルとして書き出し、次回そのファイルを読み込んで再開してください。

共有パソコンで利用した場合、入力内容は端末のブラウザ内に残ります。作業後は「データ管理」メニューの削除ボタンから入力内容を消去してください。

外部サービスへ送信される情報

住所から地図上の位置を特定する処理では、入力された住所の文字列が国土地理院の外部サービスへ送信されます。避難場所までの参考ルートを表示する処理では、利用者宅と避難場所の位置情報(緯度経度)が外部の経路検索サービスへ送信されます。氏名や心身の状態などが外部へ送信されることはありません。

PDF出力時のご登録

PDFを出力する際は、メールアドレス・事業所名・お名前のご登録をお願いしています。ご登録いただいた情報は当社が受け取り、当社のプライバシーポリシーに基づいて取り扱います。計画の内容(利用者の情報)が当社へ送信されることはありません。

JSONファイルには利用者の情報がそのまま含まれます。USBメモリ・クラウド・メールなどで取り扱う場合は、第三者による閲覧、紛失、誤送信にご注意ください。

作って終わりではない──策定後に義務づけられている研修・訓練・定期的な見直し

BCPを策定したら完了ではありません。義務化の対象には、策定後の取り組みも含まれています。

BCPの見直しと訓練の始め方

運営指導(旧・実地指導)で確認されるポイント

運営指導では、BCPの策定状況に加え、研修・訓練の実施状況や見直しの状況を確認されることがあります。

日時、内容、参加者、実施結果、見つかった課題、改善事項など、実施したことを客観的に確認できる記録を残しておきましょう。必要な実施回数や記録方法はサービス種別や指定権者の取り扱いによって異なるため、自事業所に適用される基準をご確認ください。

ツールのStep 3には年間研修・訓練計画の策定機能が組み込まれています。4月のBCP研修から3月の年度振り返りまで、8回分のプリセットが用意されており、実施月・内容・対象者・担当者を編集しながら計画のたたき台を作成できます。

PDF出力にも研修・訓練実施記録のページが含まれるため、運営指導(旧・実地指導)への準備にも役立ちます。

年間研修・訓練計画の立て方

研修・訓練の最低頻度はサービス種別によって異なり、それぞれ年1回以上または年2回以上とされています。自事業所に適用される運営基準や解釈通知を確認し、必要な回数を年間計画に組み込んでください。これに安否確認訓練やBCPの読み合わせ研修を加えると、より実効性の高い年間スケジュールになります。

年度初め(4月)にはBCPの見直しも行いましょう。

人事異動で指揮系統が変わった、新しい拠点ができた、サービス種別が増えた──こうした変化があればBCPの更新が必要です。

「緊急連絡先の現行化」「職員名簿の更新」「備蓄品の在庫・期限確認」の3点は、定期見直しを始める際の重要な確認項目です。ただし、この3点だけでBCP全体の見直しが完了するわけではありません。感染症・災害それぞれの計画、優先業務、指揮系統、連絡方法なども確認してください。

【参考資料】

・厚生労働省「介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修」

・厚生労働省「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」

・厚生労働省「介護施設・事業所における感染症発生時の業務継続ガイドライン」

・内閣府「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」

・国土交通省「重ねるハザードマップ」(https://disaportal.gsi.go.jp/)

よくある質問(FAQ)

Q. BCPを策定しないと、具体的にどんなペナルティがありますか?

令和6年度介護報酬改定により、2024年4月から「業務継続計画未策定減算」が導入されています。訪問系サービス、福祉用具貸与、居宅介護支援については2025年3月31日まで経過措置が設けられていました(居宅療養管理指導と特定福祉用具販売は減算の対象外です)。減算は、BCPを策定していない場合だけでなく、BCPに基づく必要な措置を講じていない場合にも適用される可能性があります。基本報酬は、施設・居住系サービスでは所定単位数の3%、その他のサービスでは1%が減算されます。未策定のままにしておくことは、経営上のリスクになります。

Q. 小規模な訪問介護事業所でも、BCP策定は本当に必要ですか?

はい、居宅療養管理指導および特定福祉用具販売を除く介護保険サービスでは、事業所の規模にかかわらずBCPの策定等が義務付けられています。ただし、小規模事業所に100ページのBCPが必要なわけではありません。ご自身の事業所のサービス種別と規模に合った項目を押さえていくことが大切です。ツールではサービス種別を選ぶだけで必要な項目がプリセットされるため、小規模事業所でも取り組みやすい構成です。

Q. 自然災害編と感染症編は、1つの文書にまとめてもいいですか?

はい、法令上は別々の文書にする必要はありません。実務上も、体制構築や緊急連絡網など共通する項目が多いため、1つの文書にまとめるほうが管理しやすいです。ツールでも自然災害編と感染症編をタブ切替で一元管理し、1つのPDFとして出力する設計にしています。

Q. BCPは何年ごとに更新すればいいですか?

法令上は「定期的に見直すこと」とされており、具体的な頻度は定められていません。実務上は年1回(年度初めの4月が目安)の見直しを推奨します。特に、人事異動による指揮系統の変更、拠点の増減、サービス種別の変更があった場合は、その都度BCPを更新してください。

Q. ツールで作ったBCPは、運営指導(旧・実地指導)で使えますか?

ツールが出力するPDFは、厚生労働省のガイドラインの項目を参考にした構成で、運営指導の際の説明資料としても活用できます。ただし、出力しただけで基準への適合が保証されるものではありません。運営指導では、研修・訓練の実施状況を確認するため、日時、内容、参加者、実施結果などの記録の提示を求められることがあります。自事業所の状況に合わせて内容を確認・修正し、必要な記録も整備してください。

Q. 個別避難計画は、すべての利用者分を作る必要がありますか?

災害対策基本法では、市区町村が「避難行動要支援者」の個別避難計画を策定する努力義務を負っています。介護事業所に直接の策定義務はありませんが、自治体から計画作成への協力を求められることがあります。まずは医療的ケアが必要な方や独居の方など、災害時にリスクの高い利用者から優先的に作成することをお勧めします。

まず今日、30分で始めてみてください

ツールと動画リンクまとめ

BCP策定は「一気に終わらせよう」と思うと、かえって手が止まります。まずはツールにアクセスして、事業所の住所を入力してみてください。

ハザードマップが表示された瞬間、「自分の事業所にはこんなリスクがあったのか」という気づきが生まれます。その気づきが、策定を前に進める最初のエンジンになります。

Step 1の拠点登録とStep 2の指揮系統の登録まで進めれば、BCPの骨格のたたき台ができます。ここまでの所要時間は、30分程度が目安です。

BCP簡単策定ツール(無料)

個別避難計画ツール(無料)

使い方ガイド動画(YouTube)

ご不明点やBCP策定に関するご相談は、RadiantCoCoのお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。



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